今日の日記

2003年10月28日
「to R 日曜日 完結編 その壱」

 11:00、私はおもむろにパソコンの電源を押す。それは、オリンピックの聖火に今、まさに火を入れようとしている、そんな一瞬の緊張感に似ているかもしれない。

 電源が押されると、白いワンポイントの黒い幕が下ろされ、そして不気味な音と共に、浮びあがる意味不明な英語。

 -Windows 98- 訳すると『98の窓たち』

 98も窓がある家だったら、それはとても大きな家に間違いない。いや、小さな窓が98ある小じんまりした家かもしれないが。

 しかし、今も変わらず98。それは5年前と何も変わらない。そう、あの頃のまま・・・。

 そしてまた、幕が下ろされ、次のステージへと誘われる。ここまでの所要時間は1分30秒、それはF1のレースに軽自動車で参戦しているような感覚。すさまじく遅い。

 そして、私はマウスに手を掛け、Wordをクリックしようとした。すると、私の脳の中に直接話しかける声が聞こえる。

「享世は〜ん!! 享世は〜ん!!聞こえまっかぁ〜?」

 微妙に耳障りな甲高い声。
「なんだ!この声は!・・・亀五郎か?」
「そうでんがな!亀五郎どすェ。」

 この亀五郎というのは・・・9月17日付けの日記を参照してくれ。
「何のようだ?私は忙しいんだ。」
「そんなん言わんと、たまには男二人水入らずで、語りましょうな。」

「ハァ〜?お前と話すことなど、ビタ一文無い!」
「・・・享世はん、その表現おかしいでっせ。まぁ、そんなんよろしまんがな、チョットぐらい話しましょうな?な?な?ナ?」

 どうも、亀五郎は退屈しているらしい。まぁ、最近相手をしてやっていないからな。そんなノミのような罪悪感もあって、
「仕方ないな。ちょっとだけだぞ。」
「イェ〜イ!ドウワァ〜〜、タスケテ・・・。」
 ひっくり返ったらしい・・・。

「で、なんの話をするんだ?テーマとかあるのか?」
「テーマでっか?そうでんなぁ?ズバリ、享世はんのすべて!」
 何を言っているんだこいつは…。

「私のすべて?一体私の何が聞きたいんだ?分かりやすく、こと細やかに説明せよ。しかも、簡潔に。」
「またぁ、いけずなおかたでんなァ。そうでんなぁ、では、享世はんがネットを始めた動機はなんですのん?」

「動機?やりたかったから。」
「それだけ?いや、なんかこう、ありまへんの?もっと色々?ありますねんやろ?またぁ、隠してますねんやろ?」

 しつこい奴だ。これは何か話してやらないと、また勝手に日記を書かれても困る。

「分かった分かった。色々話してやるよ。」
「イェ〜イ!ドウワァ〜〜、タスケテ・・・。」
 また、ひっくり返ったらしい・・・。

つづく。

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